第15号
2003年9月

新聞スクラップ


しんぶん赤旗03.9.19.
ただ働きが横行 残業だけが自分の裁量
NEC 裁量労働制8千人に導入/政府 現状放置し、法改悪で拡大狙う

 いくら働いても、一日一時間分の残業代しか支払われない――こんな裁量労働制を、通信機器最大手のNEC(社員2万4000人、東京都港区、金杉明信社長)は昨年10月、社員8800人という前例のない規模に導入(適用は現在7000人)した。本来、限られた業務だけが対象の同制度。はたして適法といえるのか。職場はどうなっているのか。
 終電近く、本社ビルから出てきた30代半ばの男性は、裁量労働制の適用者とう。ところが、法が認めていない「経理関係の事務職」。「始業はいつも朝8時半。帰りは長短あるけどこれくらい。休日出勤もある」。休憩時間を差し引いても14〜5時間の労働。足早に駅へ向かっていた30代後半の男性は、システムエンジニアで裁量労働制の適用者。「お客さんのところがら戻って処理するので大体この時間。残業? 月100時間前後かな。忙しい時は土日も出勤です」と息を切らして語った。
 月100時間の残業は、厚生労働省が定めた過労死の赤信号ライン。裁量労働制であっても、過重労働による健康障害を防止するため、使用者は労働時間の管理が義務付けられているが、NECは行っていない。
 同社は、98年以降ニセ裁量労働制=uVワーク」を導入していた。裁量労働制を装ったもの。事前にきめた残業時間相当の手当を支払えば実際の残業代は払わなくすむ、という裁量労働制の効果部分だけを会社がとりいれ、違法なサービス残業を事実上労働者に押し付けてきました。
 これが労働者から告発されて、労基署の是正指導をうけた直後に導入したのが現在の「新Vワーク」。総合職や技術職の主任クラスに一律導入という対象労働者の範囲も、一日一時間の残業代相当という手当もまったく同じ。労基署に届け出て受理されたため、犯罪だったサービス残業だけが合法化されたかたち。

日経03.9.20.
中部電 6500人がサービス残業
労基署是正勧告1―6月分 9億3000万円支払い

 中部電力は19日、社員約6500人に時間外賃金を支払わない「サービス残業」があり、未払い賃金計9億3000万円を支払ったと発表した。6月、名古屋北労働基準監督署から労働時間管理の是正勧告を受け、今年1―6月について、全社員約1万7000人を対象に調査した結果で、未払い対象者の数は過去最大規模という。

しんぶん赤旗03.9.23.
UIゼンセン同盟 サービス残業撲滅へ報告
「改善にとりくんだ」7割

 サービス(賃金不払い)残業の撲滅活動をすすめているUIゼンセン同盟は、加盟組合のとりくみ状況調査結果を発表した。「職場ごとの実態調査を行った」のは、回答413組合のうち6割近い241組合。このうち、「実態調査の結果、問題(サービス残業)があった」のが、約5割。サービス残業問題で「労使協議を行った」とこたえたのは回答組合の8割を超え、3割弱が「サービス残業にあたる部分の支払いを会社にさせた」とする。
 サービス残業撲滅にむけ「改善要求、とりくみを行った」のは、回答数の7割を超える。主な内容は、「労使による対策委員会を設置し対応」したのがトップで26組合、「サービス残業分の支払いを要求」16組合、「定期的な労使協議会での対応」15組合、「(厚生労働省)指針に基づく始業・終業時刻の記録等の徹底の要求」14組合、「適正な人員配置や増員の要求」12組合などと続く。
 このとりくみは、今年2月の中央委員会で提起され、パンフを活用した職場学習や実態点検調査、職場討議を行い、改善の要求・とりくみなどを経て、今回の調査が第5ステップ。現在すすめている第6ステップは最後で、実際の労働時間と残業処理の再調査を行い、適正な労働時間管理の実現をめざす内容。
 落合清四書記長は「一部見て見ぬふりをしているところ(組合)もあるが、直らないところは本部が入り具体的に直していく。来年もサービス残業撲滅運動は展開していく」とのべ、「一部摘発運動もやっていかなければならない」と、悪質なケースは労働基準監督署への告発も辞さない考え。


メールマガジンダイジェスト

JIL労働情報/No.355(03.9.24.)

残業代未払い9億3,000万円−中部電、勧告受け支払い

 中部電力は19日、名古屋北労働基準監督署から社員に時間外賃金を支払わない「サービス残業」があったとして是正勧告を受け、社員約6,500人に対し、今年1〜6月分の未払い賃金計約9億3,000万円を支払ったと発表した。6,500人は約1万7,000人の同社社員の3分の1強で、同様のケースでの対象社員数としては過去最多規模。
http://www.jil.go.jp/mm/kigyo/20030926.html

ILO駐日事務所メールマガジン【No.16】 03.09.09.
国際労働問題研究所
ディーセント・ワークの雇用面:トレードオフと相補性
 ディーセント・ワーク推進に向けた社会・労働政策教材制作のため、国際労働問題研究所が行っているディーセント・ワークの四つの側面(仕事における権利、雇用、社会保護、社会対話)に関する研究シリーズ中の、雇用面からディーセント・ワークの把握を試みた文献

Employment dimensions of Decent Work: Trade-offs and complementarities(英語)
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inst/download/dp14803.pdf

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